はじめに
コミックマーケット86のトラヒック対策で出動している各社の移動基地局車から、コアネットワークに向かうアクセス回線を現地で調査してきましたので報告します。C85と変わっている部分もあり、要注目です。
全体概要
移動基地局車の台数は、ドコモ2台、KDDI3台、ソフトバンク5台、UQ2台でした。ドコモはC85と比べると1台減りました。
前回も述べましたが、移動基地局車の出動台数が多ければよいという話ではありません。常設の基地局を増やすことでトラヒック対策が行えるのであれば、移動基地局車など不要だからです。
現に、ビッグサイトで発生するトラヒックを捌くために設置されている基地局は年々増えています。C85では、東西の間に建てられたSBグループの全部載せ鉄塔が話題になりました。また今回のC86でも、東123ホールの屋外待機列をカバーできる場所に、2局のKDDIコン柱基地局が新設されました。
基地局新設、既設基地局のパラメータ変更など、目立たないところで様々なソリューションによってトラヒック対策は行われています。本記事で扱う移動基地局車は、その一部に過ぎないことはお忘れないよう。
東地区
ドコモの移動基地局車からは光ファイバが出ており、その光ファイバはNTT東日本のクロージャへ入っていきました。NTT東日本の加入者光ファイバのようですので、行き先はNTT局舎です。
北側のKDDIの移動基地局車からは光ファイバが出ており、その光ファイバはKDDIのクロージャへ入って行きました。KDDIの加入者光ファイバのようです。また、UQとKDDIの移動基地局車同士は接続されており、アクセス回線はKDDIとUQで共有しているようです。
KDDIの2台の移動基地局車にはCANOBEAM DT-130が搭載されており、南側の移動基地局車は北側の移動基地局車へ、CANOBEAMを通してトラヒックを流していました。KDDIがCANOBEAMを使用するシーンは初めて見ました。
ソフトバンクの移動基地局車は3台ありましたが、全てにCANOBEAM DT-120が搭載されており、近隣のビルの屋上にあるCANOBEAMへトラヒックを流していました。
KDDI、ソフトバンクの南側の移動基地局車がそろってCANOBEAMを使用する様は、圧巻です。
▲ドコモ移動基地局車
▲KDDI北側移動基地局車
▲UQ移動基地局車
▲KDDIクロージャ
▲ソフトバンク北側移動基地局車
▲ソフトバンクCANOBEAM受信点
▲KDDI、ソフトバンク移動基地局車
西地区
水上バス乗り場のソフトバンク移動基地局車からは光ファイバが出ており、すぐ近くにあるNTT東日本クロージャーに接続されていました。NTT東日本の加入者光ファイバのようなので、NTT局舎まで続いてそうです。
西駐車場のドコモ、KDDI、UQの移動基地局車からは光ファイバが出ており、西展示場のDW102電話交換室内まで接続されていました。
西駐車場のソフトバンク移動基地局車には26GHzアンテナが設置されており、東西の間にあるSBグループ全部載せ鉄塔の頂上に向けてエントランス無線でトラヒックを流していました。鉄塔の頂上にも臨時で26GHzアンテナが設置されていました。
▲ドコモ移動基地局車
▲KDDI移動基地局車
▲UQ移動基地局車
▲DW102電話交換室に入ってゆく光ファイバ
▲ソフトバンク移動基地局車
▲ソフトバンク26GHzエントランス無線アンテナ(移動基地局車)
▲ソフトバンク26GHzエントランス無線アンテナ(鉄塔)
▲水上バス乗り場側ソフトバンク移動基地局車
▲NTT東日本クロージャ
おわりに
CANOBEAMをKDDIまで使い始めたので、事業者間で光無線の運用調整が必要になる時期も近いのでは?ソフトバンクは光無線、エントランス無線など、無線設備を多用することでEnd-Endを自前設備に切り替える傾向にある?ドコモは他社に比べると移動基地局車が少ないが、よっぽど近隣の基地局が充実しているのか?なんてことを考えました。
ドコモとKDDIは移動基地局車のラッピング、Twitterでの広報活動、企業ブース出展など、コミケ参加者に到達度の高いアピールができていました。アーリーアダプターが多く参加するイベントですので、存在感を出すことで効果が出ると判断されたのでしょう。一方、ソフトバンクは「つながる電波届けに来たぞ!」などと通信事業者として当然のことをわざわざラッピングするだけ。痛々しい。ドコモ、KDDIに比べると、ソフトバンクの存在感は圧倒的に出遅れているでしょう。せっかくSBクリエィティブがグループ内にあるのですから、グループが保有するコンテンツを活かした活動をしてほしいものです。
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